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オイラの前でだらしなく、口を開けみっともない顔をして眠りほけたアホ顔のコイツと暮らしてかれこれ三年近くになった。
ホトホト疲れイヤになってきた。
あの時、コイツが差し出すパンを安易に食べてしまったのが間違いの始まりだった。
雨が降り続け食い物にありつけず腹が減って死にそうだった。
そんなオイラをコイツは遠くからジッと見ていたんだろう。
傘を差し、恐る恐る近寄って来て生ぬるいツナパンをオイラの鼻先にツンツン当てた、今でも思い出すよ、おいしかったなぁ…
そんなオイラを見て安心したのか、カバンの中からタオルを出して、やたらとオイラを拭きまくっていたなあ…
何を勘違いしたのか、腹が減って動けなくなっていたオイラを見てコイツは自分になついていると思ったんだろう、そのままオイラを此処に連れて来たのである。
昔の仲間たちは今頃、何やってんるだろうなあ……
「タイガー」目が覚めたんだろう、薄目を開けてオイラを呼んでいるぜ、まったく変な名前つけやがって、意地でも行くもんか、するとコイツは嬉しそうな顔をしてオイラを手繰り寄せ頭をなぜるのである。
まあ、食いもんには不自由しないし、もう少しコイツと付き合ってやるとするか…… ウヒィー……
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