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ギリギリまで引いたかと思うとグイと押し進んでくる。鴨川の腕は逃がさないとでもいうかのように、しっかりと伏見の腰を支えている。
「ああっ……はあっ……はあっ……あっ……」
鴨川の動きに連動するように高い声が出る。行き場のない手は宙をさまよい、肩を掴み、爪を立てた。肌のぶつかる激しい音がする。
本能のままに求め、乱れる律動は伏見を翻弄する。
「ああああ……」
「ふし……み……さ…………く……っ……」
「か……かも……が……わさ……」
「んっ……ゆ……佑!」
頭上で聞こえる荒い息づかいの中に鴨川の強い想いを感じた。
愛している。
愛している。
そう言っているように聞こえた。
「もう一度……もう一度呼んで……」
「佑! 佑! はぁっ……」
「一緒に……一緒に……あっ……あっ……あっ……あっ……」
愛しています。
愛しています。
伏見もそう答えた。
「佑っ!」
「んああああああっ……」
体の内側から脈動が伝わる。伏見も弾けていた。息が整わず、心臓がドクンドクンと脈打つ音が耳元で聞こえる。
「佑……愛してる……」
「さ、さと……き、キス……して……」
そう呟いて伏見は意識を失った。
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