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「ええ、ぐっすり。こんなに気持ち良く眠れたのは久しぶりな気がします」
「ああ、ゆうべ激しかったですからね」
「あ……」
結局、明け方近くまで何度も鴨川と愛し合ったことを思い出した。何度意識を飛ばしてしまったことだろう。自分が何度達してしまったのかも覚えていない。
こんなに欲望が強いとは自分でも驚きだ。もっと淡泊かと思っていた。
「伏見さん、最高です。あんなに俺のこと求めてくれて。嬉しかった……」
「ば、バカッ!」
伏見は鴨川の肩を叩き、ガバッと起き上がった。
「ど、どうしたんです? お、怒った?」
慌てる鴨川を見下ろして伏見はくすりと笑いを洩らす。
「いえ、そうじゃありません。そろそろ帰らないと……。明日から普通に出勤ですし」
「うへぇ、もう明日は仕事かぁ……」
「あなたはまだ凡ミスが多いですから、ビシビシしごかないと……」
「うひゃあ、厳しいなぁ。でも俺、頑張りますよ。それって伏見さんの愛の鞭ですからね」
鴨川がニタリと笑う。
「そ、そうですね……」
伏見は目を伏せた。
厳しさの中に愛情? いやいや、仕事は仕事、きちんと区別しなければ。でも、うまく隠せるだろうか……。
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