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「ま、マジか……」
さっきまでの緊張が今度は動揺に変わる。そりゃ、春生さんの家に泊めてもらった事はあるが、春生さんが俺の家に泊まりに来るだなんて。
俺の部屋は前に片付けてからあんまり散らかなさいようにしていたから、春生さんを招いても大丈夫だと思う。え、俺の部屋で一緒に寝るのか?
一瞬にしてそんな事が頭の中を巡り、春生さんにチャットで『充樹君?』と呼び掛けられるまで返事を返すのを忘れていたのに気付かなかった。
『あの、じゃあ、今度家に……来てください』
母親に見守られながらもそう返して、詳しい事は日にちが近くなってからまた改めて連絡する事にしてチャットを終える。すると母親が「良かったわね!」と俺の背中から抱きついてきた。
「よよよ、良くないっ……!」
だって前に春生さんの家に泊まった時はほとんど成り行きだったんだ。何の心構えもしない内にそんな流れになってしまっていた。でも今回は違う。
今からもうソワソワしてるし!
「充樹、ずっと会えなくて寂しかったんでしょう? せっかくのチャンスなんだから、いっぱい甘えなさい」
背中から聞こえる母親の優しい声に、戸惑いながらもコクリと頷く。
俺が素直に甘えるなんて出来るんだろうか。
そもそもどうやって甘えていいのかも解らないんだ。
でももし出来るなら、俺だって甘えてみたい。
それにせっかく母親が作ってくれたチャンスだもんな。
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