第2章

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愛姫ちゃんから聞こえた『りんのしま』の意味を、太一くんに聞きたかったけれど、ちょうど始業のチャイムが鳴って先生が入ってきたから、結局聞けなかった。 雨ばかりでどんよりしている日が続くけれど、やっぱり今日も先生は朝から笑顔だ。 「みんな、おはよう!だんだん寒くなってきたけど、風邪ひいてる人とか、身体の調子が悪い、って人はいない?」 みんなが口々に『いませーん!』なんて言うのを、絶やさない笑顔のまま、先生が見渡す。 「雨続きで外は何だか暗いけど、心の中は今日も青空で!元気よく過ごしましょうね!」 相変わらず高いテンションのままに、先生は朝の会を終えた。 急いで1時間目の準備をしてから、ようやく太一くんに気になってた事が聞けた。 「ねぇ、太一くん、愛姫ちゃんが言ってた『りんのしま』って、何のこと?『しま』だから、島の名前とか?」 体を少しだけこちらに向けて、私の話を聞きながら1時間目の準備をしていた太一くんは、準備を終えて、顔もこちらへ向けた。
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