第2章

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外のどんよりした天気以上にモヤモヤした私だったけれど、意外にも、それを晴らしてくれたのは、先生だった。 「みんな授業となると、途端に眠そうな顔つきになるわね」 それは、後10分程で休み時間になろうという時だった。先生は突然教科書を閉じると、みんなに向かって言った。 「本当は、帰りの会の時に言おうと思ってたんだけど、先生も楽しみなことだし、今言っちゃうね!」 1時間目の授業をつまらなさそうに受けていた生徒達も、突然のことに、興味を持ったように先生の方へ目を向けた。 「明日の3・4時間目、久しぶりに宝良島の分校の友達との交流授業を行いまーす!」 その途端、普段から元気いっぱいの先生が焦るくらいに、一気に教室内の温度が高くなったような気がした。 「やったーーーーー!」 「超ひさしぶりやん!!めっちゃ楽しみーーーー!!」 もう、教室中から色んな声がして、目を丸くして驚く私以外は、まるでお祭り騒ぎのようだった。 愛姫ちゃん達4人組は席を立ち、お互いに顔を真っ赤にしながら、手を取り合って喜んでいる。
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