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あの歌音ちゃんでさえも、しっかりと顔を上げて、心なしか晴れやかな顔をしているように見える。
私は、宝良島のことも、そこに分校があることも今日初めて知ったから、なんだか一人取り残されて、寂しい気分だ。
「先生!『りん』も来ますか!?」
突然聞こえた『りん』の文字。
発信者はやっぱり愛姫ちゃんで、取り囲むように集まっていたいつもの3人も、興奮気味にじっと先生を見つめているし、どうやらクラス中が先生に注目しているようだ。
私も思わずみんなにつられて、じっと先生を見つめた。
「もちろん!今回は、やっと凜人くんも来るわよ!」
さっきよりも、また一回り大きな声で、みんなが騒ぐ。
『静かにーーー!』なんて言う先生の大声さえも聞こえないような、大歓声だ。
「5年生!うるさいですよ!!」
隣の4年1組の先生が、ずり落ちそうな眼鏡を人差し指で押し上げながら注意しに来た。
厳しいって有名なベテランの女の先生に、本田先生は『すみません!』って言いながら、ぺこぺこと頭を下げる。
いつも笑顔の本田先生も、さすがに申し訳なさそうな顔だ。
みんなも我に返り、まずいとばかりにこそこそとそれぞれの席に戻った。
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