第2章

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……いつもより、明るい……? ……眩しい……。 次の日の朝、だんだんと眠りから覚めたのを感じたけれど、まぶたを閉じているはずなのに、いつもより何故か眩しいような気がする。 まさか………… 「寝坊したっ!!!?」 眠りから覚める時のぼんやりした思考から、その最悪の想定に思い当たり、私はガバッと起き上がった。 起きる時間に設定しているはずなのに聞こえなかった、枕元の目覚まし時計に目をやって、恐る恐る時間を確かめる。 6時10分…………。 目覚ましの設定時間よりも10分早い……。 思わずホッとした。 それから、ゆっくりと窓の方に目を向けた。 ママが、私の部屋の窓から外を見ているのは、いつもの光景。 ただ、いつもと違うのは、眩しくて目が開けられないくらい海に反射した太陽の光と、これまでに見た晴れの日の青空以上の、澄んだ青空。 それは、昨日まで続いていた大雨が嘘のように降り止んでいたというだけの明るさじゃないような気がする。 それと、もう一つ違うことは、いつも私を起こしながらキョロキョロと外を見ているママが、私の部屋から昨日まで見えなかった、島を見つめながら、静かに涙を流していた事だった。
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