第3章

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今日の朝見た情報番組の占いで、双子座は1位だった。 考え事をしていたからちゃんと見ていたわけではなかったけれど、占いが終わったら学校へ出発する時間と、時計代わりにしているから、自然と目に入ってきたのだ。 「凜たち、来たみたいよ!!」 2時間目と3時間目の間の、ちょっと長めの休み時間が終わりに近づいたとき、ワゴン車が学校の駐車場に入ってきた。 その頃はみんな、次の授業のために教室に入っていて、朝から校庭を気にしていた愛姫ちゃんが、いち早く車に気付いたみたいだ。 みんなは窓に近づいて、車から降りてくる様子を見ようとしていたけれど、私は窓に目を向けることさえせずに、朝テレビで見た占いの事を考えていた。 とても気が重い一日なのに、何で占いは1位なんだろう。 どう考えても、今日の占いは外れているに違いないという思いにたどり着く。 授業のチャイムが鳴ってもザワザワと落ち着かない雰囲気の中、先生の足音とともに、複数の足音が聞こえてきた。 みんなが一斉に、教室の前方のドアにくぎ付けになる。
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