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「みんな、お待たせー!凜人くんと星南さん、来たよー!」
先生の大声と同時に、みんなも一斉に歓声を上げる。
今の時間、ベテラン先生率いる4年生は体育の時間で体育館にいるので、怒られる心配がない事をみんな知っている。
とても気分は乗らなかったけれど、やっぱり興味には勝てなくて、机の端のキズに向けていた目を少しずつ上げていった。
教卓の横に、青い上履きの両足と赤い上履きの両足が見えた。
みんなの歓声も全然耳には入ってこなくて、ただ自分の鼓動だけが大きく聞こえる。
一度だけぎゅっと目をつぶってから、思い切ってぱっと顔を上げる。
「久しぶりーー!!みんなーー!!」
みんなの歓声に負けないくらい元気な声。
スラリと長い手足。
冬になろうとしているのに、まだこんがりと焼けた肌。
意思の強そうな上がり眉と切れ長の目。
ニッと笑う大きめの口。
今日の天気に負けないくらいのカラッと明るい笑顔に、私は今日の朝からの出来事を一瞬忘れてしまいそうになる。
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