夏の終わりに起きた出来事‥その全て。

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「お姉ちゃんに頼まれたって、絶対やめないよ私。 あの人に〝別れよう〟って言われたら…考えるけど」 潮風に吹かれながら、凛とした声で、女はキッパリそう言いきった。 「ふぅん」 なんだ、それ。オレは呆れる。 「知ってるでしょ?仲悪いの。 みんなお姉ちゃんばっかり可愛がって、ひいきするんだもん」 それはオマエの性格に問題あるからなんじゃないか? という言葉を、オレはのみこんで‥ 「じゃ好きにしろよ。 あんな奴の、どこがいいんだか知らないけど」 旦那も旦那だろ。さいてーなゲス野郎。 「田舎くさくないとこ。 大人っぽくて、仕草とか、かもし出す雰囲気カッコイイとこ。 アンタとは正反対」 最後のとこは余計だ。 オレだってオマエが思ってるほど、案外ガキでもねぇんだよ。 なんだか妙に疲れた気分で、タメ息ついたら 探るような目で、こっちを見てきて 「…怒らないの?」 「どうして怒るんだよ」 「私が悪いことしたら、いつも文句つけて、説教してくるくせに」 …ということは、コイツにも罪の意識はあるんだな。いちおう。 「オレべつにオマエの保護者でも何でもねぇから」 どちらかというと下僕みたいな扱いだろ。 「変なの」
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