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仕方がなく、凛音を僕の部屋に連れてきた。
「で、なんですか。相談って」
僕はジャケットを脱ぐとハンガーにかけるために凛音に背を向けた。
「テオドアくんっ……」
「んっ!?」
凛音が僕の背中に抱き付いた。
そのまま、ただ抱き付いたままの凛音に、僕は何もせずにただ立っていた。
「……凛音さん、離してください」
ぶるぶると頭をふる凛音。
「相談があるんじゃなかったのですか」
僕は天井を見上げて、ため息をついた。
こんなことをされても、困る。
できるだけ冷静な声で話しかけた。
「話がないなら、離してください」
胸のところにある凛音の手を離そうと手を伸ばすと、ギュッと力をこめてきた。
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