目覚め

2/7
823人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ
僕が初めて麗に会ったのは、3歳の頃。 まだあどけない子供の頃。 僕を捨てた母親の記憶などほとんどなかった。 その代わりに、乳母のメアリーが母親だと思っていたくらいだった。 知らない言葉で僕に語りかける麗の微笑みが、とても優しくて、この人は大丈夫、と本能的に感じた。 その麗が、お父様の恋人なんだと理解したのは、僕が10歳の頃だった。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!