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おどろくバラマに、いきなり声をかけてきて、さらにおどろかせたのは、前後の足に水かきとヒレをもち、背中には立派なヒレを持った泳ぎ猫そのものでした。
そして、さらにさらにバラマをおどろかせたのは、バラマを発達した大きな鳥の足でわしづかみにして宙づり状態にさせている、白くて大きな翼を広げた猫の姿でした。
「伊留の爾弥の国の者よ。我等は大熊猫猫帝よりつかわれし使節の使者なり。天帝よりことづてをたまわり、伊留の爾弥の国の王に金印とともに親和の礼をせんと荒波にもまれつつ訪れしところなり。
我等のじょうしょう、精霊界のはめつを予見せしとき伊留の爾弥の国に生ぜし雄者を訪れ、親和の礼を尽せよとのたまわりたまう。
すでに、我が都長娘には大えき病のまんえんし、猫心の乱れ罪科をおかすもの増大せしところなり。
伊留の爾弥の国の王に伝えよ。我等は兄弟のちぎりを結び、千年万年にも連なる和平の世を創りゆくものなり。
こい願うらくは、雄き心の者我が都長娘へとのぼり、大都に巣食う鬼をはらわんと。」
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