マングローブの木々の根っこ

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 「バラマ、ごめんよ。僕たちサビちゃうから、水の中に入れないんだ。何も手伝えなくてごめん。」 パッチは心の底からあやまっていましたが、となりのミュッチは、大きなあくびをふわあっとしておりました。 「いいよ…おいらおかげで…ちゃんと泳げるように…なるかもしれない。 もしかしたら…、そのうち、泳ぎ猫みたいに…背ビレがはえてくるかも、しれないぜ!」 バラマは空元気を出して、明るくふるまっていましたが、だんだんと様子が変になってゆきました。 呼吸があらくなっており、ぬれた本来なら真っ赤なはずの毛並みは、なんだか黒ずんで見えました。
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