飛びこんだバラマ

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 「長老、どうしよう…。 バラマが…、バラマがうかんでこないよ…。 長老、バラマを返して…!?」 ミュッチがベソをかきながら、泣く泣くマングローブの精霊の長老にこんがんしてきました。 「…。」 長老は黙ったままでした。 「あのいたずら好きのバラマのことだから…、きっとどこか向こうのほうへ泳いで行って、まわり道をして僕らをおどろかすんだろう、ねえ、そうでしょ、長老?」 「…。」 パッチが今の状況をじょうだんだと言わんばかりに、そう長老に問いかけました。しかし、長老はいつまでもいつまでも、ただ黙ったままなのでした…。
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