遅れた告白

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 千波は周りを気にして、小声で話し掛ける。 「顔を上げて?お願い!」 「小学校の頃の事、本当に悪かった……ずっと、気になってた。鈴木の事……  頭の隅から離れなかった……何年経っても。  この間偶然会ってから、また思い出して……で、ツイッターで、ここの店でお前がスタッフで居る写真見つけたから……だから」 「それで今日、こうして来てくれたの?」  宮本は顔を上げて頷いた。 「どうして、あの頃私を毎日虐めてたの?」  宮本は、気まずそうに視線を泳がせた。咳ばらいすると立ち上がり千波にまっすぐに向き直る。 「鈴木千波の事が、好きやったから」 「えっ……」  その言葉を理解しようと、頭の中で反芻していたその時。  後ろから、誰かにぎゅうっと羽交い締めにされた。  ……仄かに薫るタバコ…… 「ヒロ……さん」  後ろを振り向くと、金髪の間から覗く二つの大きな目が鋭く宮本をとらえている。 「移動日やから千波の顔を見にやってきたが……来て正解やったな。誰やお前?」  ヒロの眼光に、宮本は怯む事なくハキハキと答えた。 「thunderのヒロさん!俺、thunder大好きなんです!会えて滅茶苦茶嬉しいです!」  と声を弾ませたが、ヒロの返事は素っ気ない。 「それはどうも、おおきに」  ぶっきらぼうに言うと、千波の身体を更にぐいっと引き寄せた。
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