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私のマンションは家賃とかも普通のマンションと同じで、特に特別な部屋でも何でもなかった。
エレベーターに乗って八階で降りて、右に曲がって一番最初に部屋が私の部屋。
鍵を開けて、部屋に入って後ろを振り返ったら彼がなぜかついて来ない。
「どうしたんですか?入っていいですよ?」
「いや、ほら。片付けとかしないで大丈夫なのかなって思って。。。」
「家出る前に片付けたので大丈夫です。どうぞ?」
「いや、だって、俺、男だよ?貧乏のホームレスだからさ。いいよ、俺その辺で適当に寝るからさ。気持ちだけ受け取っとくし。」
そう言ってまたエレベーターの方に歩き出そうとした彼を私は無理やり部屋に引っ張り込んだ。
「本当にいいの?」
「いいって思ってなかったらはじめから言ってませんよ。」
今度こそ諦めたのか、彼は素直にボロボロの靴を脱いで、私の部屋に上がった。
「ご飯は食べましたか?」
「食べて無い。」
「作ります。」
「いらない。」
「はいはい、黙って。お風呂は最後に入ったのいつですか?」
「先週温泉に行ったけど、それっきりかな。」
「じゃあシャワーだけでもしてください。服は元彼の誕生日に買ってあげておいてた新品のジャージがあるんですけど、それでもいいですか?もう別れて、どうしよかなって悩んでたので。」
「俺は全然気になら無いけど、そんな元彼の服になるはずだったものを俺が着てたら嫌になら無い?」
「服は服です。服には別に何の罪もないので。それに、あなたは全然元彼に似て無いので問題無いです。シャワーしてください。その間ご飯作っておくので。」
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