第一章 改札のBGM

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2005年、20代のほとんどがゆとり世代となり、世間ではこの世代を役立たずと呼び、日々こき使い罵倒し、失敗作のように扱われて年間の自殺者の数が跳ね上がりはじめたそんな時だった。 しかし、その現状に悩む友達などを知っていながらも不思議と私は特にそういうことで苦しむことなく、特に有名なわけでもない塾で講師として働いていた。 実力は平均を少し上回るくらいの大学を出た私は教免を持っていたので、それを生かした仕事を探していた。 そんな時に偶然自分の家のマンションから数駅離れた駅のすぐ前にあった塾の窓に講師募集と書いているのを見つけてすぐに応募し、そして現在に至る。 毎日特に特別なこともなく、日中は宿題の採点をしたり、その日の授業の準備をしたり、生活のための買い物をなどをして時間を過ごし、夕方になって学校を終えた生徒たちの一足先に塾に行ってそこから十時か十一時くらいまで教える。 生徒たちが全員帰ったら少しだけ掃除をして塾を出て、晩御飯をコンビニで買うか外で食べてから家に帰る。 お風呂に入り、髪の毛を乾かして寝る頃には大体一時少しすぎてる。 時には友達や上司に飲み会に誘われいくこともあり、そういう時は寝る時間は三時くらいになることもあるが、朝特にやることがない私にとって問題があるわけではない。 やらなければいけ無いことさえ終わっていればいつまででも寝ていられるからだ。 日曜は基本的に休みをもらっていて、家でゴロゴロしているか、友達と梅田の方まで電車で出てショッピングしたり、映画を見たりご飯を食べたり、している。
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