2 世界の終わりと始まり

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すると冷たい空気が部屋の中にするりと入り込んできた。 そう言えば十一月も半ばを過ぎて随分と寒くなっていた。 無理無理、うめき声なんてどうでもいいから。 私は素早く窓を閉め、移動した本はそのままに、布団の中に戻った。 布団にはまだ温もりが残っていて、やっぱり人の温もりって素晴らしいと思った。 自分の体温だけど。 もう一度寝ようと思ったけど、冷たい空気に触れたせいか、思いの外きちんと覚醒してしまい、寝られなかった。 私は布団に入ったままパソコンのマウスを手に取った。 より快適にパソコンを扱えるように、布団に寝転がりながらでも操作できる配置にしてあった。 パソコンの電源はいつも入れっぱなしなので、マウスに触れるとスリープ状態が解除された。 もちろんインターネットには常時接続。
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