2 世界の終わりと始まり

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着替えようとしてふと、外出できる服がないことに気が付いた。 私の部屋の収納には大体漫画本かしょうもない小説しかなかった。 ちなみにこの「しょうもない」と言うのは謙遜である。 好んで読んでいる私だからこそ言っていい言葉で、他人に「そんなしょうもない小説」などと言われれば、当然腹が立つに決まっている。 ま、どうでもいい事だけど。 今まで服は、洗濯機の近くにある籠に置いておけば母が洗ってくれるし、着替えもその辺りに置いてあるものを着ていた。 ひと月ほとんど着替えずに、ほぼ部屋着、と言うかジャージだったので、外出できる服など必要なかったのだ。 仕方がないので、一応部屋にかけてあった制服をジャージの上から着ることにした。 制服は冬服だった。 学校に行かなくなってから衣替えがあって、クリーニングに出した後そのままの状態だった。
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