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気が付くと私の世界のほとんどは、黄ばんだ壁に囲まれた二階のこの部屋と、部屋の前の廊下と、二階のトイレ、それからLANで繋がる電脳の世界だけになっていた。
それでも、電脳世界は無限に広がっていて、私に色々なことを教えてくれる。
孤立しているように見えても、そこにはきちんと人間関係も存在しているし、それを眺めているだけでも、ある意味繋がっていると感じられた。
眺めているだけでも。
外の世界は穢れていて、私のような弱い人間では、とても生きていけない。
そう実感したのは去年の秋口頃だったろうか。もうそろそろ一年の月日が経つ。
その詳しい内容については、記憶が曖昧でよく思い出せない。
とにかく全てが面倒臭くなったのだと思う。
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