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「ねぇ、大丈夫?」
吐き気がすると聡子は手で口を押さえた。
「吐きそうです。葵さん」
聡子の背中を私は撫でた。
お互いの体が揺れ密着する。
「ありがとうございます。葵さん」
そんな私達の後ろから呼びかける声がした。
「聡子って酔いやすいんだ。葵さんも看病頑張ってくださいねー」
私は後ろを振り向いた。
「もう、友梨ちゃんは」
友梨は微笑をして携帯を操作し始めた。
2人の後輩、岩間友梨、上野聡子。
そして私、小山葵。
私達は静かな波に揺られながら、船に乗っていた。
小さな船で操縦士のおじさんが一人でこなしている。
行き先は、無人島だ。
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