2nd GAME

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 おもわず顔を上げると、浅井はさっきよりさらに深く眉を寄せて自分を見た。  仁たちと別れたあと、近場にあった不動産屋で足を止めた。  店の外に貼ってあるチラシを眺めていたら、ちょうどタイミングよく出てきた店主と出くわして、 そのままなんだか店内に招き入れられたのだ。  制服での来店はさすがに不審がられたけど、向こうも商売。  部屋を探しているという言葉に、手近な物件をいろいろと見せてくれた。 「なんでって?」 「だから俺が訊いてるんだよ」  不機嫌そうな顔に見つめられて、堪らず肩を竦めた。 「だって、俺、家なき子よ?」 「・・・・」  家はすでに売家。  父親に親権があるといっても、実際は一緒に住むわけにはいかない。  まあ、住むつもりもないけど。  好きなところに住め、と言われて出てきたのだ。  金だけはある大人が言いそうなセリフだと思ったけど、とりあえず保証人にはなってくれるらしいから、 これからは一人での生活をしていかなければいけない。  いまのところ自分のものはいま父親が預かってくれているけど、正直、それも早々に引き取りたい。  それには、まず家を見つけなければいけない。  それに・・・・。 「・・・・ずっとここにいるわけにもいかないし、さ」  そう呟いて、小さく苦笑を洩らした。  ここは居心地がいい。  この人がいるというだけで、自分にとっては最高の場所。  あの保健室よりももっと、もっと、安らげる場所だ。  でも、それは勝手な理由だから。  いまの自分は、なにかを掴んで、そして、あの保健室で眠れれば、それだけで満足だから。 「なんでそうなるんだよ」  その言葉に首を傾げると、浅井は呆れたように深いため息を吐いた。 「ずっとここにいればいいだろ」 「え・・・・?」 「余ってる部屋だってあるし、出ていく必要なんてねえだろが」  当然のように言われて、おもわず眼を瞬かせた。
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