2nd GAME

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 朝、窓から微かに差し込む日の光で眼が覚めた。  重い瞼で二度三度瞬きをし、隣のスペースを手で探った。  しかし、触れるものはなにもなく、手は滑らかなシーツの上を伝う。  それに気づいて、隣に顔を向けた。  昨日の夜は、たしかにここで眠っていた。  無意識なのか、少しでも離れると、それを拒むかのように、自分の身体に擦り寄ってくる。  その身体を、きつく、きつく抱きしめて眠ったはずだ。  弾かれたように、身体を起こした。  もしかして、また逃げ出したのだろうか。  もっと、もっと、遠くへ。  自分の手の届かないところまで。  そこまで考えて、堪らず舌打ちをした。 「・・・・冗談じゃねえ」  そんなことは、絶対にさせない。  腕の中で触れた燈路の熱と、零れる涙。  その感触の残る手の平をぎゅっと握り締めて、ベッドから片足を下ろした瞬間、少しだけ開いていた寝室のドアが僅かに動いた。 「あれ?起きたの?」 「・・・・」  タオルで髪を拭きながらひょっこりと顔を覗かせた燈路を見て、おもわず固まった。 「あ、勝手に風呂借りたから。つーか、俺すごく汗臭くなかった? アンタよくあんな身体抱いたね」  ケラケラと笑う燈路に、浅井は盛大なため息を吐いて、そのままベッドに後ろ向きに倒れこんだ。 「なんかあった?」 「・・・・なんでもねーよ」  手で顔を扇ぎながら、燈路が不思議そうに首を傾げた。  バカバカしい。  どうやら自分は、相当焦ってるらしい。 「もしかして、また俺がいなくなったと思った?」  いつの間に側にきたのか、燈路がベッドに寝転ぶ自分を見下ろして、にやりとした笑みを浮かべた。 「・・・・煩えよ」 「アンタ、結構かわいいね」  そう言いながら、燈路が僅かに腰を屈めた。  その瞬間、燈路の濡れた髪から落ちた水滴が頬を掠める。  それに気をとられてる隙に、一瞬だけ唇が触れた。  昨日とは違う、あたたかい唇だ。 「アンタも入ってくれば?俺の臭いが染みついてそう」  そう笑って、燈路は身を翻した。  鼻歌混じりにキッチンへと向かう背中を見て、おもわず安堵のため息が洩れた。
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