2nd GAME

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 相変わらずというか瀧川らしいセリフだ。  それに笑いながら視線を向けた。  信号が変わって、歩き出す人の波。  その波に流れるように歩き出していた仁が、動かない自分たちに気づき、足を止めた。  長めの前髪をかきあげながら、「なにしてんだよ」と、その口元が言う。  それに片手を上げて、自分の横をすり抜けていく瀧川が、一瞬振り返って、ゆっくりと微笑んだ。 「おまえも近いうちにわかるさ」  そう言いながら、瀧川が、握り拳で自らの胸を軽く叩いた。  胸に。  心に。  刻まれる存在を。  歩き出した二人の後姿を眺めて、ゆっくりと自分の手の平に視線を落とした。  刺激だけを追い求めていた手。  なんでもよかった。  ただ、なにかを掴んでいたくて、がむしゃらに手を伸ばした。  それがどんなに痛手を負うことであろうと、どうでもよかった。  でも、いまは・・・・。  この手が伸びる先を自分は知っている。  それは、たったひとつで。  唯一、心の底から欲しいと願って、手を伸ばした。  もしかして、自分は、なにかを掴んだのだろうか。 「トージ!なにしてんだよ!」  横断歩道の真ん中で立ち止まって手を上げる仁と瀧川の姿。  それにそっと苦笑を洩らし、一歩、足を踏み出した。  きつく握った手の奥で、きっとなにかを掴んだということを確信しながら・・・・。
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