2nd GAME

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 待ち合わせの駅前で、燈路は足を止めた。  人ごみの中に視線を廻らせ、その中心にある噴水のベンチを見て、小さく苦笑を洩らした。  遠くからでもわかる存在感。  そう、アイツはむかしからそういうヤツだった。  威圧感さえ感じさせるオーラ。  あの荒れ果てた夜の街で、アイツに絡む人間が誰一人としていなかったのも、 アイツを包むオーラが、それらをすべて撥ね退けたからだ。  それでも、いまは。  隣に座っている誰かと話しているアイツの眼は、あの場所では見ることができなかった穏やかな眼。  自分は、そう・・・・。  ああいう眼をするアイツが、うらやましかった。 「マヒト」  声をかけた自分を見上げて、マヒトが眼を細めた。  にやりと笑う口元は、愉快そうに弧を描いた。 「ひさしぶり」  ゆっくりと立ち上がるマヒトと一緒に、隣に座っていた人物も腰を上げた。  マヒトと同じ制服を着た、かなりの美人。  自分の視線に気づいたのか、その人物は綺麗な顔でにこりと微笑み、マヒトに声をかけた。 「真人、俺、向こうに行ってるから」 「ああ、悪いな」 「いや、ごゆっくり」  そう言って、もう一度こちらに笑顔を向けて、その人物は人ごみの中に消えていった。  その後姿を眩しそうに見つめるマヒトに、おもわず苦笑を洩らし、燈路は後ろを振り返った。 「おい、おまえらどうする?」  案の定というかなんというか、呆然とこちらを見ていた二人は、自分の問いかけに慌てて顔を上げた。 「え・・・・っと、そうだなー。腹減ったし、どっか入ってるわ」 「了解」  歩き出す二人に手を振ると、一度こちらを振り返った仁がおずおずと口を開いた。 「・・・・トージもあとでこいよ」 「はいはい」  信頼回復にはまだまだ時間がかかるらしい。  その後姿に苦笑を洩らしていると、後ろからマヒトが口を開いた。 「元気そうじゃねえか」 「おかげさまで」  小さく肩を竦めて見せると、マヒトは笑いながら再びベンチに腰を下ろした。
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