2nd GAME

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「もう必要ねえな」 「え?」 「刺激を求める必要は、おまえにはもうねえだろ?」  そう言って、マヒトは小さく笑みを零した。  いま、自分の手の平に眠るもの。  あたたかく、胸に染み込んでくる、緩やかな、刺激。  いまなら、自分は、なにかを掴んだのだと、はっきりと言える。  やっと、気づいた。 「・・・・そうだな」  マヒトのように、なにかを手に入れて、穏やかに笑える時間が、いまの自分にはきっとある。  いまは、その時間を大切にしたい。  無駄な刺激を得るよりも、いまは、ずっと、触れていたい。 「おまえの言ったとおりだな」  にかりと笑って言うと、マヒトは「なにがだ?」と小さく首を傾げた。 「これ」  ポケットから取り出した携帯をちらつかせると、マヒトはその意味を理解して小さく笑った。 「そのとおりだろ?」  太陽を背にして、マヒトが切れ長の眼を細めて、笑みを浮かべた。  それは、むかし、何度も眼にした懐かしい笑みだった。
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