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『社長なんですよ、アイツの親』
そう言った中年教師は、疲れた様子で薄くなりかけた髪の毛を静かに撫でた。
『早坂グループって知ってます?父親がそこの若社長らしいです。若・・・・と言っても、先生よりはだいぶ年上ですけどね。 なんとか連絡取ろうと会社に電話してるんですけど、やはりというかなんというか・・・・忙しいらしくて取り合ってもらえんのですわ。 母親とは連絡つけようがないですしね・・・・』
冷めかけた緑茶を口に含みながら、教師は困ったように息を吐いた。
『ただ、早坂グループってあれだけの会社なんで、社長となればやはりそれなりに有名なんですよ。 それでですね、どうも噂なんですが・・・・』
周囲を気にしながら、中年教師は口元に手を当てて、小さく小さく呟いた。
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