恐怖

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目を覆っていた布を外され、視界に飛び込んでくる複数の男性の顔。英司と同い年くらいの学生に見える。 「あの、警察呼びましょうか?」 彼らに両腕の拘束を解いてもらうと、その中の一人が私に尋ねかけてくる。 私は力なく首を振り、否定した。 警察を呼ばれること、英司に知られることだけは、死んでも嫌だった。 彼らは床に落ちていたコートを拾い、私にいくつかの質問を投げかけたが、私は彼らに虚ろな目を向けることしか出来なかった。 冷えた身体にコートを羽織り、すぐにでもこの場から立ち去りたかった。 英司は私が汚されたのを知ったら、どう思うのだろう。今となっては、私が犯されようが英司の心には響かないのかな… 日はとっくに落ち、外は深い闇に包まれていた。私は彼らに頭を下げ、街中へと足を早めた。
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