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全員と話して思った事は ――間宮十河が別格であったことだ。 異界に居た時から培(つちか)われてきた、 草部蘇芳の『嗅覚』は優れていた。 危険を、 異質を、 異常を、 それらを嗅ぎ付ける能力は、 ある種、才能の領域に達していた。 そんな彼が、異界でも嗅いだことの無い、 鼻が曲がるほどの『逸脱(いつだつ)』が 間宮十河から放たれていた。 その面(ツラ)の皮。 下には一体――どんな本性が埋まっているのか。
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