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「――――んだよ。エリィ」
「開口一番『んだよ』とはなんじゃ。
『んだよ』とは!」
むがーっと両腕を上げても、
蘇芳の頭のてっぺんに届かない
小柄なエリィに対し、
「珍しいじゃねぇか。
練習とか勉強とか嫌いなテメエが、
なんで居んだよ」
「我(われ)がこんな〝お遊び〟みたいな
魔力転がしなんかやるわけないのじゃ。
……ちょうどトウガが
トレーニングしたいって言うから
付き添ってきたのじゃよ。
始めたら時間が掛かるからのぉ。
終わるまでフラフラしておったら、
お前がいたっちゅーわけじゃ」
「間宮がトレーニング、だと?
異形をぶっ殺してから、
真人間にでもなったのか?」
「まともじゃない言い方するのやめるのじゃ。
トウガは元から真面目なんじゃぞ!」
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