3.ユキノメ

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そして、恐る恐る、 そこら中電気をつけて回った。 「ユキちゃん?」 床に鈴が転がっている。 鈴だけ? アレ? 鍵は? 私、鍵を閉めずに出て、 落としてきたってこと? じゃあ、あの鍵…? ソファの上、私のスカートを敷いて ふてくされたように寝ている ユキちゃんを見つけた。 「ユキちゃん、ただいま。」 ユキちゃんは、 立ち上がると、 少しだけ目を開けた。 眉間にシワを寄せて 私をジーッと見つめると、 プイッとしてまた目を閉じた。 「ユキちゃん?」 心配…してくれてたのかな? ユキちゃん。 鍵は閉まってないぞ!って 教えてくれたのかな。 ありがとう、ユキちゃん。 思わず、抱きしめて頬ずりをした。 と、突然、ユキちゃんは、 うう~と低い唸り声を上げて ハリネズミのように 毛を逆立てた。 これまでに無いくらいに 目を見開いている。 ユキちゃん? そのとき 玄関のドアが ゆっくりと開いた。 あ、そっか。 あの男の人が持ってた鍵が 私の鍵なら… そして、 あの男の人が、 目の前に いた。
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