謎の声

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俺は、あの悲劇の事故以来、被害女性とその家族のことが頭から離れなくなっていた。 会社で働いているときも、友人とたまの休みに外食に出かけたりしたときも、テレビを見ているときも、いつでもその女性のことが頭から離れなくなっていた。その原因は、前にも言ったとおり俺があの声の言うことを聞いて違う道を歩んだから、そこに通りかかった女性が被害にあったからだ。 居ても立っても居られなくなった俺は、被害女性の入院している病院に足を運んだ。 一目散に女性の入院している病棟へ行き、そこに常駐している看護婦さんに事情を話し面会をさせてもらったのだ。しかし、よく考えると俺はこの女性の命の恩人だ。いや...そんなことはどうでもいい。俺は、広大な未来のビジョンをこの女性に見出したのだ。ただ、それだけのことだ。
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