1章 闇はいつも隣に

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この世にはかつて、数多の化け物がいた。 あるものは人型、あるものは半人半獣、あるものは獣、またああるものは既存の生物とはかけ離れた姿をしていた。 現代に語り継がれる吸血鬼、狼男、蠢くミイラ、雪男、それらの影に埋もれた化け物の数は星の数とも言えるだろう。 時代と共に忘れ去られ、彼らの同胞は滅んでいった。 信ずるものが、恐れるものがいなければ、化け物は存在できない。 文明が進むにつれ、彼らは脅威から創作物の存在へと貶められていった。 しかし、どこの誰が決めたのだろう。 どこの誰が証拠を手にしているのだろう。 どこの誰が胸を張って公言できるのだろう。 彼らが、『完全に滅び去った』と。 どこの誰が否定できるのだろう。 彼らが、『あなたの隣であなたを狙っている』ことを。
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