【ふたり乗り】

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【ふたり乗り】

酔っ払いの女は、立てない。 彼は、女を抱え、立てる?と聞いた。 かろうじて立てた女は、彼の肩に頭を乗せ、自転車の後ろに乗せられた。 彼は、家まで送るから、ちゃんと道言うてや、と言った。 自転車の荷台に乗せられた。 彼の背中に、ギュッーと掴まった女。 彼は言った。 やめてよ、おばちゃん。 その一声で、酔いが醒め、恋から冷める。 女は、彼に聞いた。 なぜ送ってくれたの? 彼は言った。 ママが送れと言った。と…。 ママ!? どの人が、ママ?と聞くと、あのスタイルの良いキレイな女性だった。 ママは、いつ貴方を産んだの? 聞けば、今の彼の年齢の時だった。 私より、はるかに若い…。 そりゃ~ママと呼べるよ。 家に着き、キッチリとお礼を述べ、 そして、サヨウナラと、心で告げた。 そして、ソフトバレーには、足を運ばなくなった。
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