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「うし、これ繋げたら一段落だな..っともうこんな時間か」
左腕に着けている安物の腕時計が今午前11:50となっているのを確認し、作業に取りかかる。
間もなくして作業を終え再び時計を見ると、指針は57分を示していた。
丁度よく終わったな。と呟きながらヘルメットをとり自分のロッカーに向かう。
そして、普段通りならこのまま昼食をとり職場の人達と駄弁って、マシンの起動確認して今日の仕事が終わるのだが、この日はそうはいかなかった。
「あ、いけね。ケータイ作業台の上に置きっぱだったわ....はぁめんどぅー」
脱ぎかけていた靴を履きなおし、作業場に戻ろうと来た道を戻ろうとした時
ギ...ギギギギ..カンッガ..ガガガガ....ポキン
「ん?なんの音だ?」
普段聞き慣れない音が耳にはいってきたので、その場で周囲を見渡して音源を探る。そしてその音がどうも上からしていると気付き上を向こうとした時、何処からか「あ、おい!!そこからにげろぉぉぉ!!!」と、鬼気迫る声が耳に入ってきた。
が今さら遅い。
「え?あ..」
そして、天井から降ってきた鉄の塊が無情にも森羅を押し潰し、けたましい音をたてて地面を赤く染め上げた。
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