第1章

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ひもがとれて足が絡まる 息のできない電車の中 男の子の繊細なうめき声 なりたくてなった姿じゃない こうしたのは世界じゃないか 世界平和という願望の前に身近の少年も救えないのか 「苦しいよね」「つらいよね」口には出さなくも 私は、彼の側に立とう そうした世界初今日も希望的未来を夢見つつ 自殺願望者が今日も絶望的未来で夢うつつ 世界をちょっとだけ夢に思う 世界をちょっとだけ切に思う ルサンチマンで埋まった車内に響く 警告の音 靴ひもは結んでもほどけてしまうのだ
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