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奈々は恐る恐る顔を上げ、姉の婚約者と智也の母の
顔を交互に見た。
「あ、あの、17歳と19歳がお付き合いしちゃダメなんですか?」
奈々の質問に、橋口と智也の母は顔を見合わせる。
橋口は、腕を組んで口を少し歪める。
「うーん。ダメって事はないんだけどねぇ。難しい
かなぁ、ちょっと」
そこへ智也の母も渋った顔をしながら、頷きながら
水を一口飲む。
「そうね。ダメって事はないの。お互い惹かれ合って
つきあっているんならね。ただねぇ。未成年者の方が
嫌だって言っているのに、無理に性的行為を強いるような
事をしたら、罰せられるって事かな。あぁ、でも……」
そこまで智也の母は説明すると、またこめかみに
両手を添えた。
「あぁ、でもなんか複雑だわ。智也が高校卒業してからなら
年上の女の子と付き合うのもいいんだけどさ……。
うーん、でもなんかなぁ」
母としての複雑な心境だろう。
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