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 何か大切な話があるのだろうか。奈々は何となく そんな予感がした。それは唯も察知したようだ。唯は慌てて 外に出た。  そしてプレートを『close』に変える。こんな日に限って スフレ風パンケーキの予約が夕方入っていないのは、この 時間を授ける為に、神様が与えてくれたかもしれない。  重たい空気が降りて来た。何となく苦笑い を誘う沈黙も店内に満ちた。  そんな中、父がカウンターに腰かけて微笑む。 「おいおい、二人共幽霊を見るような顔をしていないで 水でも最初は出してくれないかね」  その言葉に二人共、ハッとする。 「あぁ、そうね。ごめんなさい」  唯はグラスに慌てて水を注ぎ、二人の前に 置いた。  メニューを見ずに由奈が今度は口を開く。 「春色パンケーキと、ミルクティを」 何となくせいいっぱい笑顔を作っているように 見えた。  思わず奈々は緊張しすぎて、少し言葉が濁る。 「か、かしこまりました」
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