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 由奈は嬉しそうに涙目になりながら頷く。 「勿論です」  そしてフォークでパンケーキを切った。 ナイフなしで切れる、焼きたてのスフレや、シフォンケーキを 彷彿させるパンケーキ。  口に含ませ、笑顔を唯と奈々に向ける。 「おいしい、おいしいよ!このパンケーキ 日本一!」  静かな涙目だったが、今は大きな雫が頬を伝って 流れた。  奈々も思わず涙ぐむ。 「ね、由奈さん。また絶対来て下さいね?絶対!」  由奈はまた大きく頷く。 奈々は溢れる気持ちが収まらなかった。涙はどんどん 瞳から出て来る。何故こんなに涙があふれるか分からない。  二人の十代の女性は、涙を浮かべながら互いに 微笑んだ。
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