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 あきるの市から、ここまでは多分一時間半弱。 あきるの市は多摩地区にある。緑の多い街だが、駅周辺は 商業施設なども充実しており、生活するには困らない地だと 奈々は記憶している。  しかし山間部に行くと、少し不便にはなってくる。  そんな時、智也の母も名残惜しそうに 頬杖をついて、呟く。 「あきるの市からここまで、一時間半でしょう? 来れない事はないけれどね。けど駐在所勤務になったら 中を空っぽには出来ないから、行くなら交代でなら 行く事なら出来るじゃない?」 「あぁ、そうだなぁ」  智也の両親の台詞を聞き、この店のパンケーキを心から 愛してくれてると思うと、奈々は胸が熱くなった。 「ありがとうございます。うちのパンケーキ 気に行ってくれて」  奈々は心から感謝の気持ちを述べた。  すると智也の母は「だって」と続ける。 「ここのパンケーキが一番おいしいわ」  また嬉しい言葉を続けた。  
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