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そんな中、ずっと黙っていた智也が沈黙を破った。
「あぁ、そうだな」
頬杖をつきながらの、ぶっきらぼうな口調だった。
智也の両親が、智也の感想にギョッと視線を
向ける。
そんな中出来上がったパンケーキをはじめに、唯が智也の
前に置いた。
「そうなんだ。どうもありがとう」
出来上がったスフレ風パンケーキは今まで以上にフワフワ
な仕上がりだった。たっぷりとホイップをトッピングし
メープルシロップを添えた。春らしく、イチゴで沢山
彩った。
智也は瞳を大きくした。黙ってはいたが
虹彩からは感動の光が見える。
智也の両親からも、感嘆の声が漏れた。
「おぉ!すげぇ。こんなの見た事ないや!」
「わ!なんか今日、いつもより凄くないかなぁ。
ありがとう」
ここに来店してくれる客の笑顔は沢山見て来た。
しかし、今日の三人の顔はいつもより感動が大きかった
ように奈々の目には映っていた。
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