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智也の父が説明した。
「早めの結婚祝い」
傍らで、智也の母はピンクの包み紙で包まれた
プレゼントを渡した。唯は驚いた。
「あ、ありがとうございます!」
「実は、橋口君にも今日、渡したんだけどね。
早めの結婚祝い。唯ちゃんにも渡したくて」
唯の顔は嬉しさと輝きに満ちていた。
奈々は傍らでフフッと微笑む。
「お姉、開けてみたら?」
妹に促された姉は「開けさせて頂きます」と
二人に言ってから、包み紙を明ける。人形の形の
オルゴールと、赤と青のペアカップだった。
「わぁ」
姉妹は同時に言葉が漏れた。
人形は赤ずきんの女の子のような形をした
オルゴールで、ねじを回すと女の子がクルクル踊る
ようになっていた。音楽は『乙女の祈り』だった。
マグカップは、赤にはピンクと黄色のチューリップ。
ブルーの方には白いチューリップが描かれていた。
「かわいいね、良かったね」
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