狐の嫁入り

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たとえ周りに後ろ指さされようと、気持ち悪がられようと、俺の白への想いはけして変わることはない。 目をぎゅっとつぶり、おそるおそる目を開き、顔をあげていく。 俺を取り囲んでいるみんなは俺のことをきょとん顔で見つめている。が、ふと表情が和らぎ、口々に想いを口にした。 「俺、実はそんな気がしてたんだよなー!だってあんなに沢山の可愛い女の子に告白されても毎回断ってたもんな」 「そーそー。もしかしてずっと俺達のケツをいやらしい目で見てたのか?ウホッ」 「バッ、ちげーよ!初恋の相手が男だっただけで…」 「へー!達希くんはいつからその人のことが好きだったの?」 「…小学生の低学年のころからずっと」 「うっわ、めっちゃ一途じゃん!やっぱりお前、変わらず爽やか誠実人間だわー。こりゃ、女共にモテますわ…」 「ねーねー、ちなみにたっちゃんは攻めと受けどっちなの?」 「さっそく腐の餌食になる達希氏。 こりゃ女性ファンの黄色い声が鳴り止まねぇな!」 「はー…勝手ながら感動した…達希、まじかっけぇ漢だよ、お前!」 「──……」 みんな…からかいつつも、受け止めてくれている。 そっか…そっか……。 俺はこんなにも優しい人達に囲まれて成長できていたんだな…。 口角が緩むと同時に、涙腺も緩んでしまった。 ぽろぽろと涙をこぼす俺を見て、周りにいる友達が慌てて俺の背中をぽんぽんと叩いてくる。 「おいおい、泣くなー!俺達も泣きたく、なる、だろ…うぅっ」 「俺達がそんなことでお前を嫌ったりするかよ。よしよし、俺の胸を貸してやるぞ」 「ちょっと男子ー、私達のアイドルのたっちゃんにベタベタ触らないでよ。むさ苦しい!」 「あはは、だからさ、達希くん。私達のこと結婚式に呼んでよ。ね?」 「俺達が盛大に祝ってやるよ、なあ、みんな!」 「……っ」 溢れ出してくる涙をごしごしとぬぐい、俺は何度も強く頷き、にっと微笑んだ。 「ありがとう。俺、みんなと友達になれて、本当によかった!」
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