~1話~

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「うわああん。うわああん。」 コロが見つからなかった僕は大きな声で泣いた。 大声で泣いたらスッキリした。何かが吹っ切れたような気がした。 気になったのは父の存在だ。 父は僕以上に長く泣いていた。 自分の散歩中に逃げ出したから責任を感じていたのだろうか。その時はその涙の理由は僕には分からなかった…… コロがいなくなってからは、動物は飼っていない。 「コロのことを忘れて他の動物は飼えないだろ。」 父は一言しんみりと話した。 コロがいなくなった後に猫でも飼っていれば、 僕は死んだ猫に対して何か行動をしてあげることが 出来たのだろうか?
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