1,異世界への招待状

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一郎「アルファよ、その頭にくっ付けてるのは誰じゃ?」 やはり見えていたか。 流石、安倍晴明の血を受け継いでいる者。 表面にかけてあった“術”を解き、床に座る。 アルファ「…娘のライラだ。」 ライラ「パパ、ダム?」 アルファ「安倍一郎。知り合い。」 一郎「!?なんじゃと~!」 朝から、近所迷惑な声を出すな。 まだ晶浩のやつ、起きないのか? 一郎が叫んだのに、寝ていられるな。 そうだった。 アルファ「美希の“運命”について、話されているな。」 一郎「十二天将から聞かされておる。 勇者召喚に巻き込まれ、悲惨な死を遂げると。」 あの糞神のせいで、美希の“運命”が狂っているのは事実。 俺達が介入しなければ、最悪この世界の日本が消える。 アルファ「俺が直々に鍛えた者が常時、“見定め人”、“稲荷神”が交代で護衛に付く。」 一郎「そうか、いつ連れて行くんじゃ?」 アルファ「今日、美希が学校につき次第。」 一郎が悲しそうな顔をする。 暗い雰囲気だ。ん?どうしたライラ? ライラ「パパ、ライラしーしー!」 しー…!ヤバイぞ。 アルファ「トイレはどこだ?」 一郎「あっちじゃよ。」 俺は慌ててライラを抱っこし、トイレに向かう。 少女はこのやり取りを知らない。
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