姉妹

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「その分、絆も強い・・って訳か・・」 「違うわ・・ 私、何度も幸彦に捨てられたと思った。 それでも、幸彦しか愛せなかった。 幸彦が神父になる時も、修行中は会えない事を知らずにフィレンチェの修道院の前で何日も彼を待ったわ。 でも彼は(サヨナラ)の一言だけの手紙で私を遠ざけたの・・」 「それは私が、幸彦さんに嘘を教えたから・・ あの時私を拒んだ彼が許せなくて、貴女の結婚が決まったって・・そう言って」 「知ってるわ・・ 幸彦に聞いたから・・ でも、私もあがいたのよ。 幸彦以外の人を愛せないか確めた。 結局は駄目だと悟らされたけど・・ 私ね、幸彦が癌でもう生きられないって知った時、皆棄ててここに来たの。 最初は彼に帰れと言われたのよ。 でもすがり付いた。 みっともなくても、どんなに拒まれても幸彦から離れなかった。 彼ね、(我が儘だな)って言ったの・・ それってね、いつも私が幸彦に無理を言った時に彼が私に言った言葉なの。 幸彦は、そう言ってから私の無理を聞いてくれた・・ 今度も神父を辞めて私を受け入れてくれたわ」 繭は笑いながらメイを見た。 「本当、不器用な人なのね。 彼ね、貴女を愛してたわ・・ 私がどんなに彼に近付いても、彼は貴女しか見なかった。 私といても、彼の目には貴女が見えてたのよ。 私、悔しかった・・ 知っている? 私、昔、一度だけ貴女を見に貴女の学校に行った事が有るの。 母が私を連れて貴女を見に行ったのよ・・ でもあの頃は、まだ、こんなには似てなかった・・ 私の父はね、貴女のお母さんが好きだったの・・ 子供の頃からずっとね。 母はそれを知った上で父に嫁いだのよ。 貴女のお母さんが好きだったのは貴女のお父さんだけだと知ってたから・・ でもそれでも父は、貴女のお母さんを諦められずにいたのよ。 二人に何が有って貴女が生まれたかは知らないわ・・ でも貴女が産まれた時、父は自分の子かと貴女のお母さんに聞いたそうよ。 でも違うと笑われたと聞いたわ。
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