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司教は時々今の神父からメイや幸哉の事を聞いていたと笑う。
「もう1つ驚かせましょう。
僕には弟が日本にいるのですが、彼は幸彦がアルバイトをしていたコンビニの経営者で、僕もまだ小さかった君を知っていました。
勿論僕もまだ見習い神父でこんなお爺さんではありませんでしたが・・
君はよく弟の手を繋いで、まだ駄菓子屋だった祖母の店に買い物に来ていましたね」
メイは記憶を辿る。
「あのお菓子屋さんだったんだ・・
幸彦のいたコンビニ・・」
「実はね、今日貴女を訪ねたのにはお願いが有ったからなんです。
今日の僕は司教ではなく、昔の駄菓子屋のお兄さんとして、幸彦の師匠として、そしてエンリコの親友として貴女に会いに来ています。
1つめは・・
これは少しだけ司教の立場を使いましたが、ヨハネ幸彦の神父としての聖籍を復活させる手続きを取りました。
僕は今、結婚や家を継ぐ為に仕方なく聖職を離れなければ成らない者の為に、教会の長年の規則を変える準備をしています。
その為に来年には大司教の地位に着く事に同意しました。
そうなればもう日本に帰る事も出来なくなるでしょう。
幸彦やエンリコの墓にも来られない・・
それでもせっかく育てた優秀な弟子達を排籍するよりはましです。
その第一歩がヨハネ幸彦の復籍です。
彼は沢山の実積を遺していながら、神父のまま教会を去りました。
僕は彼を僕の後継ぎにと考えていたのです。
でも、あっさりと親友に取られてしまいましたが・・
まあそれはさて置き・・
今回、エンリコは幸彦の墓の横に並べて自分の墓をと言い残しました。
だが、聖職を持つ者と一般人の墓を横に並べて造る事は出来ません。
でも幸彦の復籍が認められたらそれも可能と成ります」
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