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「俺、生まれて初めて失恋して良かったって思ってるよ。」
「…うん、私も。」
でなければ。
私達が今、こうして一緒にいることはない。
「杏奈…」
真夜中の薄暗い寝室で、
半分眠りかけた私を抱き寄せるから…
「ねぇ、キスしよう?」
思い出した、始まりの言葉。
じっと目を見て、伝えてみれば。
返事の変わりに、
あったかくて、優しくて、
止めどないキスが降り注いだ。
*End*
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